05/26
Tue
2009
開港150周年で盛り上がっている横浜ですが、どうも横浜という土地、筆者のようなスネた性格の人には眩しすぎます。綺麗な街並にオシャレなショップ、そして行き交う幸せそうなカップルや家族......このいかがわしさにほぼ無縁な街にいると、なぜか「場違いな所に来ちゃってどうもすみません」と謝りたくなるぐらいです。まだマリンタワーが営業していた頃は、あの時代遅れでB級感たっぷりの雰囲気が、個人的には横浜唯一のオアシスだったんですけどね。
でもそんな横浜にも、アヤシイものたちにたっぷりと囲まれる意外なスポットがあります。歴史的な西洋建築物が並ぶ官庁街のエリアにある「横浜税関」...と聞くとアヤシイどころかお堅いイメージがありますが、その税関の1階にある「横浜税関資料展示室」は、まさに横浜の異次元空間。なぜなら、ここには税関を通過することができなかった、日本では違法となるものばかりが集められているのです。ある意味、日本で最もいかがわしいブツの密度が高い場所ともいえるでしょう。
そしてその展示方法もなかなかイカレ......いや、イカしております。ちょうど『踊る大捜査線』のブームの頃にリニューアルされたせいか、モロにその影響が出ているようなのですが、今見ると『踊る~』のさらに元ネタのエヴァンゲリオンの方を連想する人の方が多いでしょう。
特に「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」みたいな感じで偽ブランド商品のコーナーに書かれた「買ってはいけない買ってはいけない買ってはいけない」の狂気じみた文字列には、誰もが圧倒されるはず。お堅い役所の展示室なのに、いわゆる"お役所仕事"とはかけ離れた、ぶっ飛んだセンスがいい感じです。
ほかにもなんだか具体的すぎる覚せい剤や拳銃の隠し方(もちろん、こんなのマネしてもバレバレってことですけどね)や、やけに刺激的な密輸品の展示(床の一部がガラス張りになっていて、大量の武器や麻薬が置かれている)、さらにいかがわしさ爆発のワシントン条約違反の動物コーナー(希少動物のはく製や、かなりグロテスクなハンドバッグ、成金テイスト満点の象牙製品や毛皮などなど)にパチモノ製品の山...と、まさにカオスとしか言いようのない状況。ちょっと横浜はお行儀よすぎて物足りないなぁと思っている方には、ぜひともオススメしたいスポットです。
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